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help リーダーに追加 RSS 「行政対象暴力」といえば(その2)

<<   作成日時 : 2008/05/29 18:08   >>

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話はまったく変わる。

市の対応を逆恨みして、当時の長崎市長(選挙中)を殺害した元暴力団組長に長崎地裁が死刑判決を下した。
城尾被告に死刑=長崎地裁「民主主義揺るがす」−弁護側は控訴・市長射殺事件

伊藤一長前長崎市長=当時(61)=が昨年4月、選挙期間中に射殺された事件で、殺人、公選法違反(選挙の自由妨害)などの罪に問われた暴力団幹部城尾哲弥被告(60)の判決公判は26日午後、長崎地裁で引き続き開かれた。松尾嘉倫裁判長は「暴力によって民主主義を根幹から揺るがす犯行で、到底許し難い」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。弁護側は即日控訴した。
 松尾裁判長は「被告は長崎市が自己の主張や要求を受け入れず、不満を募らせた。怒りを市長に向け、当選阻止も目的に殺意を形成した」と認定。大事件を起こし、自分の力や意地を誇示する意図もあったとした。
 その上で「自分の思い通りにならない憤まんから市長殺害という暴挙に及んだ。行政対象暴力として類例のない極めて悪質な犯行だ」と指弾した。
 「伊藤前市長が命を奪われる理由はなく、逆恨みの経緯は自己中心的だ」と述べ、長崎市に不正があったとの動機を主張した城尾被告を「責任軽減にきゅうきゅうとしている」と非難した。
 背後の至近距離から銃弾2発を撃ち込んだとし、「冷酷かつ残忍、凶悪で卑劣この上ない。通行人らを巻き込みかねない危険もあった」と指摘。「殺害された被害者が1人にとどまることを考慮しても、極刑はやむを得ない」と結論付けた。 

遺族の感情も理解できるし、要人テロに対しては毅然とした態度をとるべきだという主張(例えば、こちらは説得的)にも根拠はあると思う。
しかし、この判決には何か釈然としないものが残る。

 この判決における死刑という量刑の根拠は、「被害者の政治活動の自由を永遠に奪い、市民の選挙権行使を妨害し、民主主義を根底から揺るがせた」という点にあるのであろう。
 これが、従来からの死刑基準に照らしてどうかということはよくわからないが、個人的法益である生命を侵害する行為を処罰する殺人罪において、民主主義を根底から揺るがせたという事情(「国体変革」?)をどの程度まで、量刑に反映させるべきなのか、どうにも釈然としない。
 せいぜい、「被害者の政治活動の自由」「市民の選挙権行使(に対する期待権?)」あたりまでが、漠然としながらも、事案に対して斟酌しても無理でない個別的な事情のように、ボクには思われる。
 そもそも、民主主義云々ということは、居酒屋での議論はともかく、今回の事件において法的に問われるべきことであったのだろうか。
 むしろ、国事犯なら、そう簡単に死刑にすべきではないという考え方さえありうるあろう。

 
 この判決の報に接して感じたのは、確かに、いささか的外れだったかもしれないが、「市長の生命は一般人の生命の2倍以上の価値があるということか?」というものだった。
 というのは、たとえば、およそ、暴力団の理不尽な暴力が厳罰に処されるべきであるというなら、ボクも無論賛成(これは、対民間暴力でも当然同じ。)だが、厳罰に処されるべきは、選挙期間中の市長に対するテロ(?)であるという。
 行政対象暴力に晒されている公務員は、この長崎市においても、当然市長だけではないはずである。
 しかし、本判決のロジックでは、選挙に関係のない、例えば部長とか課長とかが、逆恨みされて無残に殺されても死刑とはならないことになろう。また、民間の社長や従業員が暴力団に逆恨みされて殺されても、死刑にならない。
 とすると、職業政治家の生命は、民主主義云々というを言論的回路をとおることによって、一般国民の生命よりも保護されるべきだとことになるのではないか。
 むろん、選挙によって明らかになった民意を暴力によって覆そうとする暴力に対しては、ある種の形容として「民主主義を脅かす」といえなくもない。(例えば、岐阜の御嵩事件のような)
 しかし、その場合でも、本来は、町長に対するテロであっても、町の職員に対するテロであっても、示された民意をテロによって覆そうとする限りは同質なのではないか。町の職員が暴力の対象となったとしても、誰も民主主義への脅威とは考えないのではなかろうか。


 ボクは、二元論者だが、漠然と社会的相当性をもちこんだ結果、、結果無価値論者が批判するような(例えば、例の西山事件におけるような)本来の保護法益でないものこそが、むしろ実質的に保護されるという奇妙な現象と、ほぼ、同様な「奇妙さ」を今回の判決にも感じてしまう。

 要人テロに立ち向かうには、どうすべきなのか?
 でも、殺人罪における量刑で、事情を汲んでいくことをまったく否定するつもりはない。
 新たな刑罰を設けるよりも、その方が良いかもしれない。…良いかも知れないが、なんか、すわりが悪いよねと思う。居心地が良くないな、という、ある意味それだけの話なのでした。 

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飯大蔵の言いたい事
2008/05/30 00:25

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